台湾白色テロ受難者と緑島住民の口述に基づくドキュメンタリー
《緑島の1日》のドキュメンタリー映画で語られた総ての物語は、台湾及び緑島にとって無形の文化資産であり、世界広しといえども、小さな孤島に人の心を打つ物語がこれ程豊富に秘められている所は、他には見付からないことでしょう。
コピーライティング:曹欽栄
和訳:蔡焜霖
緑島が最初に白色テロ受難者を監禁する場所として使われたのが、強制労働キャンプ又は洗脳教育(思想改造)キャンプとしての効用を持つ「新生訓導処(1951-1965)」でした。次の段階では、高い塀に囲まれた閉鎖式の「国防部緑島感訓監獄(1972-1987)」、通称緑洲山荘に改造されました。最初の強制キャンプの段階においても、完全に閉鎖的な厳しい管理下に置かれ、当時の新生訓導処に監禁された政治受難者(緑島住民は彼らを新生と呼んだ)が、強制労働の合間に島の自然に接し、或いは島民と深い友情を結んだことは、今まで余り知られておりませんでした。
この映画の中の登場人物は、「新生」と呼ばれた受難者を主な語り手とし、他に受難者の妻や子、又は孫までが異なった世代の思い出を語ります。島民と新生との間では、畑作りから医療、演劇等を通じ、互いの心の触れ合いが語られ、他方日増しに高まる観光ブームで島を訪れる人達の、島の自然環境や人権記念園区見学の思い出話が沢山収録されてあります。この様に多角的に捉えられた映像で、身分が異なり、境遇も違う人と人との交流を通じ、一番真摯でナイーブな人間性を描き出したいと思ったのです。
《緑島の1日》の別冊の封面
受難者の方達が何時も口にするのは、緑島は彼や彼女等の人生の第2の故郷だということです。ある外省籍(戦後中国大陸から渡来)の受難者に至っては、いたいけな少年時代に逮捕監禁され、緑島こそが自分の唯一の故郷だとさえ言っております。昔の緑島の美しい大自然は、受難者の体を育み、心を慰めるのに大いに役立ったのでした。彼や彼女等が目下最も懸念しているのは、緑島の将来であり、自然生態の保護や、歴史記憶の保存問題等です。緑島の美しい海や山に惹かれて訪れる若い人達には、60年前もの昔、自分達と同年輩の青年男女が、この島で10年、15年からひどいのは30数年の長きに亘って監禁された歴史は、想像だに難しいことでしょう。このドキュメンタリー映画で語られた総ての物語は、台湾及び緑島にとって無形の文化資産であり、世界広しといえども、小さな孤島に人の心を打つ物語がこれ程豊富に秘められている所は、他には見付からないことでしょう。
もっと知りたい方:http://2009greenisland.blogspot.com/
登場人物
受難者
朱煒煌 1927年生まれ
柯旗化 1929年生まれ
胡子丹 1929年生まれ
胡鑫麟 1919年生まれ
胡宝珍 1924年生まれ
林恩魁 1922年生まれ
王荊樹 1922年生まれ
蘇友鵬 1926年生まれ
許 強 1913年生まれ
謝桂林 1920年生まれ
郭琇琮 1917年生まれ
謝湧鏡 1920年生まれ
ロシン・ワタン 1899年生まれ
葉盛吉 1923年生まれ
朱耀加 1921年生まれ
林立 1903年生まれ
黄温恭 1920年生まれ
蔡焜霖 1930年生まれ
辜顏碧霞 1914年生まれ
黄雨霆 1928年生まれ
施顯華 1930年生まれ
謝秋臨 1923年生まれ
陳鵬雲 1927年生まれ
盧兆麟 1929年生まれ
張振騰 1929年生まれ
江槐邨 1932年生まれ
葉雪淳 1930年生まれ
張幹男 1930年生まれ
郭振純 1925年生まれ
黄広海 1927年生まれ
黄石貴 1928年生まれ
張金杏 1932年生まれ
陳 勤 1922年生生まれ
林鏡明 1922年生まれ
邱奎璧 1924年生まれ
顏世鴻 1927年生まれ
閻啓明 1931年生まれ
陳孟和 1930年生まれ
歐陽文 1924年生まれ
鄧華勝 1926年生まれ
陳廷祥 1921年生まれ
郭衣洞(柏楊) 1920年生まれ
毛扶正 1932年生まれ
林耀金 1928年生まれ
黄仲華 1931年生まれ
王文清 1927年生まれ
受難者家屬
柯蔡阿李 張旖容 胡乃元
緑島住民
林登栄 田輝鴻 田份來 田亦生 蔡居福 田瑞鴻 陳建男 田珍珠 唐樹香
陳新伝 李賜福
観光客
李宏志 玫瑰 林松柏 宋涵 Rene Ziechner 黄亭潔 蘇維翎 褚縈瑩
コピーライティング:曹欽栄
和訳:蔡焜霖
印刷設計:江国梁
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